1980年の改正以来、約四十年ぶりに民法が改正されます。今回の解説は改正された相続法の配偶者居住権についてです。2020年4月1日より始まったので気になる方は読み進めてみてください。

そもそもなんで民法(相続法)改正になったの?

主な理由は時代とともに、今の相続に合わなくなってきているからです。

改正の直接の契機は2013年9月に裁判所の判決です。

どんな内容かというと、婚姻ありの親の子供(嫡出子)と婚姻なしの親の子供(非嫡出子)の相続分に違いがあり現代の感覚で考えると、とても不公平なものでした。

それが最高裁で違憲判決が出され、一部改正の話し合いが行われたのですが、それを契機に、相続法を時代に即したものにするために見直しが必要ではないかという声が高まり改正が行われたということです。

相続法改正の範囲は?どこが改正されたの?

今回改正されたのは中身は以下の6つです

①配偶者の居住権を保護するための方策(配偶者居住権、配偶者短期居住権)

②遺産分割に関する見直し

③遺言制度に関する見直し

④遺留分制度に関する見直し

⑤相続の効力に関する見直し

⑥相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

今回の解説は①の配偶者配偶者の居住権を保護するための方策 についてです。

配偶者居住権、配偶者短期居住権とは

今回の改正により、配偶者居住権、配偶者短期居住権が新設されました。簡単に言うと、残された配偶者がこれまで暮らしていた家に住み続けることを認める権利のことです。

配偶者居住権には比較的短期間の居住をみとめる配偶者短期居住権と、終身または一定の期間の居住を保証する配偶者居住権の2つがあります。

配偶者短期居住権について

配偶者短期居住権とは…配偶者は相続開始のときに故人の建物に居住していた場合には6ヶ月は、そのまま無償でその建物を使用することができる権利です。

いままでの法律では、相続人が複数いる場合、分割が終わるまでの遺産は共有のものとなります。居住していた建物も共有になってしまいます。

なので配偶者の権利が不安定…だけど、これまでも一応な保護はありました。

最判平成8年12月17日の 判例では、配偶者が,相続開始時に被相続人の建物に居住していた場合には 被相続人と相続人との間で使用貸借契約が成立していたと推認するということになりました。

使用貸借契約が成立していたと推認 だけでは配偶者の保護に欠けるところが…

第三者に居住建物が遺贈されてしまった場合や、故人が配偶者がそのまま住み続けるのに反対の意思を表示した場合 は使用貸借が推認されず,居住が保護されないという問題がありました。

→ 自分が暮らしてきた家なのに無償で居住できない場合や建物の新しい所有者から家賃の支払いを請求されたり出て行けと請求されてしまう可能性がりました。

新設された配偶者短期居住権は上記の場合であっても常に最低6か月間は配偶者の居住が保護されるということになりました。

配偶者短期居住権とは
被相続人の承諾は不要で配偶者は
6ヶ月を経過するまでの間無償で引き続き建物を使用することができることに。

配偶者居住権について

配偶者居住権 は、相続開始時に故人のい建物に住んでいた配偶者は建物の全部について原則として終身の間使用できる権利のことです。

今までの法律では、夫婦に息子一人がいる場合で、相続財産が自宅が1000万で預貯金が1000万の場合

遺言書がなく息子が法定相続分の1000万を主張すると、配偶者には自宅しか残らず、生活が大変になってしまう場合が…

配偶者居住権導入でこう変わった

配偶者居住権という権利を導入することで、配偶者は自宅で居住を継続しながら、その他の財産も取得できるようになりました。

(例)配偶者居住権500万+預貯金500万

住む場所も確保できて、生活費も確保でき困らないという制度です。