遺言書は自分で作って大丈夫!要点を抑えて安価に作成

公正証書遺言書は料金が高いのでまずは、自分で作成してみようと思った方向けの記事です。

遺言書の種類は主に2つ

遺言書の作成方法は主に手書きで作成する自筆証書遺言書と公証役場で作成する公正証書遺言書の2つです。

公正証書遺言書は公証役場で作成する方法です。公正証書遺言についてはこちら↓

自筆証書遺言書は手書きで作成する方法です。

手書きで作成「遺言書」 注意点

自筆証書遺言書は手軽に自分で作成できるがメリットです。費用も安く済みます。

デメリットとしては、書き方に決まりがあり、決まり通りに作成しないと無効になる可能性があることです。

他にも保管方法を考えないと、せっかく作成した遺言書をご家族に見つけてもらえない場合がありますし、逆にご家族が見つけても隠してしまう可能性もあります。

相続手続きの時に、手書きの遺言書は家庭裁判所の「検認」が必要なことも忘れてはいけません。なので、ご家族が勝手に遺言書の封を開けてしまわないようにする対策も必要です。

手書きの遺言書の注意点

・書き方に決まりがあるので注意

・保管方法が重要

・ご家族が勝手に開封しない対策が必要

 自筆証書遺言作成手順

①自身の財産を把握する

まずは自身の財産をあらためて確認を!

遺言書をいきなり書いてしまうと曖昧な部分がでてきて、よく分からない中身になってしまう可能性があります。

遺言書の中身が曖昧だと、争いのもとになりますので、正確に書くためにも自身の財産の把握することは大切です。

確認する資産は
・現金
・預貯金
・土地建物
・有価証券
(上場株式)自社株などの未上場株式
・生命保険・死亡退職金その他の財産

②財産を特定できる資料を準備

自身の財産を確認したら、その財産の資料を集めます。あつめた資料で財産のリストを作っておくことで遺言書の内容を確実なものにします。

金融資産 

通帳(銀行名、支店名、口座名、口座番号が記載されている見開き等の写し)

金融機関に関する資料(配当金計算書、取引報告書)

不動産  

登記簿謄本(履歴事項全部証明書)

直近の納税通知書

その他  

ゴルフ会員権

自動車車検証の写し

宝石、絵画等の鑑定書

貸し金庫に関する書類

取得した資料で財産のリスト(財産目録)を作成しておきます。

財産目録を作成することで、 全体でどれだけの財産があるか や誰にどの財産を相続させるかの内容が、ひと目で分かり、間違いが少なくなります。作成した財産目録は、遺言書と一緒に封筒に入れることができます。

遺言書と違って財産目録はパソコンで作成しても大丈夫です。ただし、財産目録一枚一枚に署名押印が必要です。

財産目録 PHF

③遺言書の内容を決める

遺言書を書く前に遺言書の内容を決めていきます。

財産に関することを決める

財産を「何を、誰に、どのくらい」相続させるのかを決めます。

財産以外に遺言書で決めれること

相続財産を決めること以外にも1.身分に関すること、2.遺言執行者3.祭祀承継者などを遺言によって決めることができます。ほかにも4.付言として自身の想いなどを伝えることができます。

1.身分に関すること…未成年後見人の指定、 相続人の廃除 、子供の認知

2.遺言執行者の指定… 遺言書執行者とは、遺言の内容を正確に実現させるために必要な手続きなどを行う人です。 遺言執行者は各相続人の代表として、遺言の内容を実現するため手続きを行う権限を有しています。 遺言執行者は基本的に 未成年および破産以外は誰でも なれることができます。

3.祭祀承継者の指定… 祭祀承継者 とは系譜、祭具及び墳墓といった祭祀財産や遺骨を管理したり祖先の祭祀を主宰する人のことです。

4.想いや伝えたい言葉は付言として遺言書の最後に書きます。

④遺言書を書く

遺言書は、縦書きでも横書きでも大丈夫です。用紙についても特に決まりはありません。

だだ、遺言書の書き方は決まり通りに作成しないと無効になる可能性があります。以下のことに注意して作成します。

  1. 「全文」を自分で手書きで書く(ボールペンで作成)
  2. 日付を自分で手書きで書く
  3. 氏名を自分で手書きで書く
  4. ㊞を押す

→1、すべて自分で手書きで書かなくてはいけません。パソコンで作成したり、誰かが代筆すると無効になってしまいます。

2、 日付の記入は手書きで、令和2年2月2日のように 「年 月 日」まで正確に書くことが必要です。日付のない遺言書は無効になってしまいます。 2007年1月吉日 という書き方はダメです。

3、 氏名は戸籍の記載通りに手書きで書きます。旧漢字が使われてい場合は注意して書きましょう。

4、 最後に印鑑を押します。

下書きを作成してから,清書すると確実です。
書き損じた場合は破棄して、新しく書き直すことをお勧めします。修正箇所について無駄な争いを避けるためです。

遺言書が2枚以上になる時は契印

遺言書が2枚以上になるときは、ホチキスで止めてつなぎ目に遺言書に押した同じ印鑑で印を押します。↓

⑤遺言書を封筒に入れて封印

最後に封筒に上の図のように記載して封に遺言書作成に使った同じ印鑑を使って印を押します。

保管方法

作成した遺言書を自分で保管する場合は

紛失・破損や変造・破棄・隠匿、未発見などの恐れが高いことに注意しましょう。

保管場所と、自分の死後の遺言書の取り扱いについてご家族に説明しておくことが肝心です。

また、法務局の保管制度を利用するもいいかもしれません。

費用は3900円です。法務局の保管制度を利用する場合は、封筒の封をせずに持参する必要があるのでご注意ください。詳しくは下記より

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html