亡くなった後の相続手続き ⑥必要に応じて、限定承認、相続放棄の手続き
相続財産がどのくらいなのか把握することができたら次に行うことは、 その財産をどう扱うのか決めることです。 相続財産がすべての場合でプラスとは限らないし、プラスであったとしても必ず相続しなければならないものではありません。
相続の3つの選択
①単純承認
条件をつけずに相続することです。プラスの財産もマイナスの財産も、相続します。通常3ヶ月ほっとくと単純承認したことになります。
②限定承認
プラスの財産の範囲内でマイナスの財産も相続します。相続財産の中だけでマイナス財産部分も相続するので、あとから負債が見つかるのでは?プラスなのかマイナス7日よくわからない!?といった場合に利用されます。
③相続放棄
プラスの財産もマイナスの財産も含めてすべての財産の相続を放棄します。
単純承認を選択する方
相続開始より、3ヶ月何もしなければ単純承認したことになります。その後の手続としては遺言書がある場合は遺言書に従い遺産分割をすることになり、それ以外は、遺産をどう分けるか相続人で話し合うことになります。
相続財産の一部を処分した場合なども単純承認したことになりますので注意してください
相続放棄を選択する方
多額の借金などがあった場合、相続しないという選択をする場合、相続放棄の手続をすることになります。相続放棄の期限は相続開始から(故人が亡くなられたことを知った時)3ヶ月以内です。
借金が多い場合や、相続に一切関与はしたくないという方は相続放棄という選択を取られるのかと思います。
相続放棄は、負債だけでなく、土地や不動産などすべての財産を相続しないことになりますので、良い選択なのしっかり考えてから行ってください。一度相続放棄をしてしまうと原則取り消しはできません。
ひとこと
相続放棄をしても相続財産を放置していいわけではありません。相続財産管理人に引き継ぐまで、相続財産が失われないよう管理する義務があります。
相続放棄の手続
期限:事故のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内
手続き先:故人の住所地の管轄の家庭裁判所
必要なもの:申述書、申述人の戸籍謄本、故人の住民票除票又は戸籍の附票、収入印紙800円
限定承認の選択する方
限定承認は、故人の財産の中から借金を支払う相続の方法です。例えば、単純承認だと5000万円の相続財産がある場合、あとから1億円の借金があるとわかったとしても、残されたマイナス5000万円も相続し返済することになります。こういった場合限定承認をすると、残されたマイナス5000万円は支払うことがなくなるという手続きです。
限定承認を行う場合は、3ヶ月以内に共同相続人全員で限定承認を行う必要があります。手続きなどは煩雑になるので専門家に依頼することになるかと思いますが、費用が大分かかりますので、相談の上判断してください。
相続放棄、限定承認ご依頼の専門家は、司法書士、弁護士です。