遺言書を作成しておいたほうがいいケース

日本で遺言書が書かれるケースは2022年で全体の約10%程度です 。遺言書を作成する習慣がまだ浸透しておらず、そのため、遺言書を作成していれば揉めることはなかったのに‥という事例が多くあります。
遺言書は誰もが作成しておいた方が良いのですが、今回は特に作成しておきたいケースの解説です。
目次
そもそも遺言書がないと どんなことに?
遺言書が無いと、法定相続分によって遺産分割が行われることになります。たとえば、生前亡くなった方の面倒を見た人や、全く見なかった人なども法定相続分に従って分けるので、遺族の方にとっては故人の遺志を反映できずにわだかまりが残ることになります。
他にも、遺言書がない場合、遺産分割協議を行わないといけません。遺産分割協議は、法定相続人全員で集まり、財産の分け方を決めなければなりませんので、時間と経済的負担を強いられます。

遺言書がないと
✔実質的な公平が測れない場合
✔遺産分割協議を行わないといけない
遺言書の作成を必要とするケース
面倒を見てくれた長男の嫁に財産を残してあげたい場合

同居している長男の嫁が、介護などの面倒を見てくれている場合。長男の嫁は法定相続人ではありませんので、遺産は1円も入ることはありません。仮に長男が先に亡くなっている場合でも、子供がいなければ代襲相続もしないので相続はしませんし、子供がいる場合も、代襲相続で相続するのは子供になります。

再婚して前妻の間に子供がいる場合

例えば前妻がいる場合で、音信不通で今どこで何をしているかわからない場合。その前妻との間に子供がいる場合は
子は法定相続人になりますので、遺言書がない場合は、遺産を相続することになります。遺言書がないと前妻との子も遺産分割協議にも参加することになりますので、家族の方も思ってもいない相続人(前妻との子)に困惑することになります。
結婚をしてない場合(内縁の妻がいる場合)

現在では、結婚せずに同棲を続けることは珍しくありません。遺言書がないと、内縁の妻は相続人にはなりませんので、財産が1円も入らないことになります。亡くなられた方の家に住んでいる場合などは、自分には相続されないので、困ったことになります。
夫婦の間に子供がいない場合

夫婦の間に子供がいない場合、全ての財産が残された配偶者に相続されるわけではありません。親や、兄弟姉妹も相続人となる場合があり、法定相続分に従って分けられることになります。遺言書がないと、残された配偶者は納得行かないことになるかもしれません。
個人で経営をしている場合

個人で商店経営や不動産経営などをしている場合、遺言書がないと事業を行うための不動産や預貯金、負債なども相続資産として遺産分割協議にかけられ、相続人で分けることになります。そのため、わだかまりも生まれますし、経営の継続自体難しくなる可能性もあります。従業員を雇っている場合や跡継ぎなども考えている場合は、遺言書は作成しておいたほうがよいです。
遺言書は大切な方への愛情
遺言書は最後に贈るギフトでもあります。遺言書があれば望まない争続(相続)となることを避ける事ができます。遺言書作成に早い、遅いはありませんので、思い立ったときにまず作成してみてください。

遺言書は望まぬ争いを防ぐとともに、大切な方に最後に想いを贈れるギフトでもあります。