きちんと作成したはずの遺言書なのに失敗!?


こんにちは、山口県周南市の行政書士 廣戸です。
きちんと作成したはずの「自筆証書遺言書」なのに、実は全く意味のない「遺言書」になってしまう事例があります。要件を満たして作成したはずなのに、望む結果が得られない事態になってしまった・・・
そうならないために、今回は作成した「遺言書」作成後の注意点についての解説です。
遺言書に記載しても伝わらない内容がある!?

遺言書に自分の意思を記載しても無駄となるよくある事例があります。
それは、葬儀についてです。遺言書に葬儀について自分の望みを記載しても、その通りに実行されることはありません。
遺言書の存在や内容が確認されるのは、葬儀の後がほとんどだからです。そのため、葬儀や埋葬などについて家族に自分の思いを伝えずに、遺言書に記載しただけだと無駄となります。
葬儀について自分の望みを伝えるには?
葬儀についての自分の望みを叶えるためには、事前に家族に伝えておく必要があります。方法は口頭で家族に伝えておく方法の他に、葬儀の生前予約の利用や、エンディングノートの活用があります。
自分自身の葬儀の形を自分で決めておきたい、 場合には葬儀会社の事前予約という方法があります。葬儀会社に 、葬儀の内容や予算、墓地のことなどを予め決めて依頼しておくことで、自分の望み通りに行うようにできます。
エンディングノートに、書いておくという方法も有効です。 エンディングノートを利用して葬儀 について自分の意向を伝えることができます。ただし、エンディングノートの存在を家族が知らないと意味がありませんので、その存在がわかるようにしておく必要があります。
作成したはずの遺言書が見つからない

せっかく作成した遺言書も、家族に見つけてもらえないと意味がありません。
自筆証書遺言書を作成する場合は、自分が死んだ後に家族に見つけてもらえるようにしておく必要があります。
方法は家族に遺言書の存在(保管場所)を伝えておく方法の他に、弁護士や銀行などの遺言書を預けるサービスを利用する方法、法務局に預ける方法があります。
弁護士、税理士や銀行などに預けるサービスを利用する方法は、自分の死後の相続の手続きもスムーズに行ってくれるので安心かと思います。
2020年7月10日より、法務局で自筆証書遺言を保管してくれるサービスが始まります。法務局で自筆証書遺言書を保管する場合は家庭裁判所の検認が不要になりますので、自分で作成した遺言書をどこかで保管してほしいと思っている方におすすめです。
遺言書をここに預けて失敗

遺言書を銀行の貸金庫にだけは預けてはだめです。 亡くなった後、いざ遺言書が必要となった時に、その貸金庫を開けるために金融機関所定の用紙に相続人全員の実印を押印し、印鑑証明書を提出しなければいけません。
すぐに連絡が取れて、同意を得られる相続人であれば問題ないのですが、遠方に住んでいる相続人や、そもそもどこに住んでいるか分からない相続人がいる場合は大変です。

せっかく遺言書を残すのであれば、円滑に相続手続きが進むように配慮したほうがいいですね。