「家は自分が相続する」と言ってきかない!?
Q 母が亡くなり、相続人は長男、長女(私)次男の3人です。遺産は母が住んでいた自宅(実家)ぐらいしかないです。2年前から実家に帰ってきた次男が「母から言われているから自宅は俺が相続する」と言って話を全く聞かない。どうすればいいでしょうか?
A, 次男さんの主張「自宅は俺が相続する」を認めることができない場合は、話し合いで解決できない以上、遺産分割調停の申し立て調停委員会による円満な解決を期待するのが一つの方法です。
遺産分割調停とは、遺産の分割について相続人の間で話合いがつかない場合に家庭裁判所の調停では、調停委員が話し合いの間に入り、公正・中立的な立場で解決策の提案をするものです。
調停不成立なら遺産分割審判に移行となります。
また、すこし遅いかもしれませんが遺産分割の話し合い前に、下記の基本的なことを押さえておくことも重要です。
話し合いがまとまらない場合は、お早めに弁護士等にご相談を!
話し合い前に押さえておきたい基礎知識
遺言書があれば、遺言書の内容に沿って遺産分割が行われます。
本件ご相談の場合は、遺言書は無いため相続人の長男、長女、次男の3人で話し合いで遺産を分けることになります。
長男、長女、次男の法定相続分(各相続人に認められた相続の割合)は3分の1ずつです。もちろん話し合いでこれと違う分割割合で分けても大丈夫です。
不動産の分割方法について
本件ご相談の場合は、不動産は母の家(住居)とその土地です。
分割方法は主に下記です。
⑴家と土地を、相続人一人が取得し、他の相続人に代償金を支払う方法
⑵不動産を売却し、その代金を相続人で分割する方法
⑶各相続人が不動産の共有持ち分の取得をする方法
次男さんの主張を尊重するのであれば、⑴の方法を取るのがいいですが、次男さんの資力が乏しければ難しいのではないでしょうか。
⑵については、家に思い入れがったり、居住として今後も使用したいのであればこれも難しいです。
⑶については、今後家の処分等が難しくなる等の弊害あるなど、問題の先送りにしかならずにお勧めできない方法です。