娘の代わりに遺産分割の手続きを進めてもいい?
Q, 夫が突然の交通事故で亡くなってしまいました。相続人は私(妻)と9歳の娘の二人です。夫には自宅のマンションと預貯金が少しありました。遺産相続の手続きは私が娘を代理して手続きすることはできますか?
A、娘さんを代理して遺産分割の手続きをすることはできません。家庭裁判所に娘さんの特別代理人を選任してもらい遺産分割の手続きを進めることになります。
親が子供の財産を管理しているのだから代理(子供を)して手続きができそうですが、法律上できないのです。
相続人は私(妻)さんと娘さんの二人です。法律上は互いに相続人としての権利を持っています。親子といえども利害が対立していますので一方に都合のいいように遺産分割できないように特別代理人の選任するように決められています。選任された特別代理人とともに以下の手続きを進めることになります。
特別代理人にできること
- 遺産分割協議への参加
- 遺産分割協議書への署名・押印
- 相続登記や預金引き出しなどの相続手続き
特別代理人になれる人
利害関係のない人であれば原則誰でもなれます。
ただし、必ずしも希望する候補者が特別代理人になれるわけではありませんので注意しましょう。決めるのは家庭裁判所です。
特別代理人の申立て方法
申立てできる人
親権者と利害関係人
費用
- 収入印紙(800円)
- 予納切手代です。(裁判所により違います。)
方法
所在地近くの家庭裁判所に特別代理人の選任の申立てを行います。
郵送でも可能です。
具体的には下記の書類を提出します。
(1) 申立書
(2) 標準的な申立添付書類
- 未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 親権者又は未成年後見人の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 特別代理人候補者の住民票又は戸籍附票
- 利益相反に関する資料(遺産分割協議書案,契約書案・抵当権を設定する不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)等)
- (利害関係人からの申立ての場合)利害関係を証する資料(戸籍謄本(全部事項証明書)等)